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【裏技】Power Automateソリューション対応クラウドフローをパッケージとしてエクスポートする方法

Power Automate
この記事は約8分で読めます。

こんにちは、かずきです!

あるクライアントから、開発したソリューション対応クラウドフローをzip形式のパッケージで送付してほしいと言われました。

「いやいや、ソリューション対応してしまったクラウドフローは、Dataverseベースのソリューションに紐づいてしまい、Power Automateポータル上でパッケージとしてエクスポートができなくなるんですよ・・・」、と内心思いつつ、私は、そこで諦めずに調査を行い、エクスポートをする方法を見つけました!

そこで本記事では、ソリューション対応フローをパッケージでエクスポートする裏技を紹介します。

どうしてもクライアントからの要望により、ソリューション対応フローをzip形式のパッケージでエクスポートしなければならなくなった際に参考にしてください。

本業は、BtoBである大企業から中小企業までの業務効率化支援と、BtoCである買主向け不動産仲介です。私の経験を通して、不動産仲介業務の効率化に役立てそうなアイデアを惜しみなく共有していきます。興味がある方は、遠慮なくお問い合わせください。よろしくお願いいたします。

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免責事項
本記事の内容は、2025/06/21時点の機能に基づきます。執筆以降に機能のアップデートにより、本記事との内容に乖離が発生する場合があります。その点、ご了承ください。

【目標】本記事を読んで達成できること

  • ソリューション対応クラウドフローをパッケージとしてエクスポートができる

【対象者】こんな人に読んでほしい

  • どうしてもソリューション対応クラウドフローをパッケージとしてエクスポートしたい人

【解決方法だけを知りたい方必見】パッケージとしてエクスポートする方法!

ソリューション対応クラウドフロー詳細画面のURLにある”details”を”export”に変更することで、パッケージとしてエクスポートができます!

ソリューション対応クラウドフロー詳細画面のURLは、通常以下のような構成になっています。

https://make.powerautomate.com/environments/(環境ID)/solutions/~preferred/flows/(フローID)/details

URLの”details”を”export”に変更して、読み込みを行うと・・・

パッケージのエクスポート画面が表示されました!!

https://make.powerautomate.com/environments/(環境ID)/solutions/~preferred/flows/(フローID)/export

図. エクスポートパッケージ画面

エクスポート時に、以下の入力を行ない、エクスポートボタンを押すと、zip形式のパッケージファイルをダウンロードすることができます。

  • パッケージの名前(任意の名前を入力)
  • フローのインポートの設定(以下のいずれかの設定を選択)
    • 新しく作成する
      パッケージファイルをインポート時に、新しいフローとして作成する。
    • 更新
      インポート先の環境にアプリまたはフローが既に存在しているため、既存フローを更新する。
非ソリューション フローのエクスポートとインポート - Power Automate
ある環境からフローをエクスポートし、別の環境にインポートする方法について説明します。

理解を深めたい方は、ぜひ続きをお読みください!

【参考】ソリューション対応クラウドフローを理解する

ソリューション対応クラウドフローとは

ソリューション対応クラウドフローとは、ソリューション内で作成された、またはソリューションに追加されたクラウドフローのことを言います。

アプリケーションライフサイクル管理(ALM)の観点から、通常クラウドフローを作成する際、Power Platformの環境を開発環境、検証環境、運用環境の3環境に分けて開発を行います。異なるテナントや環境を跨いで開発を行う場合、依存し合う複数のオブジェクト(クラウドフローや接続参照、キャンバスアプリなど)を一括で移行することになるため、1つのソリューションにまとめることになります。よって、ほとんどの開発では、ソリューション対応クラウドフローを扱うことになります。

ソリューション対応フローの概要 - Power Automate
ソリューションの概念と、フローに健全な ALM プラクティスを実装する方法について説明します。

ただし、ソリューションおよびソリューション対応クラウドフローを作成するためには、以下2つの条件を満たしている必要があります。

  • 対象環境にDataverseデータベースが追加されていること
    Dataverseは、環境作成時または作成後に追加することができます。
Microsoft Dataverse データベースの追加 - Power Platform
Microsoft Dataverse データベースを追加する方法を紹介したチュートリアル。
  • 環境のバージョンが9.1.0.267 またはそれ以上であること
    環境のバージョンは、Power Platform管理センターから、対象の環境の管理画面を開くと、確認できます。

図. Power Platform管理センターにある環境の管理画面

既定では、ソリューション対応にならない

本記事執筆時点では、Power Automateの機能上、クラウドフローを新規作成時に、既定でソリューションには追加されるようにはなっていません。なので、意図的に特定のソリューション内で作成、または既存フローを追加しない限りは、非ソリューション対応になります。

これは、Power Platform管理センターから、対象の環境の管理画面を開き、機能の設定を変更することで、自動でソリューション対応となるようにすることができます。具体的には、機能の設定にある項目「Dataverseソリューションで新しいキャンバスアプリとクラウドフローを作成する」のトグルを”オフ”から”オン”に変更します。トグルは、デフォルトでは、”オフ”になっています。

図. Power Platform管理センターにある環境の機能設定画面

既定でキャンバス アプリとクラウド フローをソリューションに追加する - Power Apps
既定でソリューションに新しいキャンバス アプリとクラウド フローを追加する環境を構成する方法について説明します。

もし既定でクラウドフローをソリューションに追加するように設定を行なうと、クラウドフローを新規作成した際に、事前に設定している優先するソリューションに自動的に追加されます。

優先するソリューションは、Power Automateポータルの右上にある歯車アイコン(⚙)から設定できます。

図. 優先するソリューションを設定ウィンドウ

ソリューションに追加されたかどうかは、作成したクラウドフローの詳細画面から確認できます。ソリューションに追加されている場合は、追加先のソリューション一覧が表示されています。

図. クラウドフロー詳細画面

非ソリューションとソリューション対応の主な違い

非ソリューション対応クラウドフローとソリューション対応の主な違いは、既に述べた通り、異なるテナントや環境に移行するために行なうエクスポートとインポートの仕方が異なります

非ソリューション対応の場合

エクスポートする場合

Power Automateポータルの左ナビゲーションにある「マイフロー」からクラウドフロー一覧画面、またはクラウドフローの詳細画面を開き、エクスポート>パッケージ(.zip)でダウンロードできます。

図. クラウドフロー一覧画面

図. クラウドフロー詳細画面

インポートする場合

Power Automateポータルの左ナビゲーションにある「マイフロー」からクラウドフロー一覧画面を開き、インポート>パッケージのインポート(レガシ)でアップロードできます。

図. クラウドフロー一覧画面

非ソリューション フローのエクスポートとインポート - Power Automate
ある環境からフローをエクスポートし、別の環境にインポートする方法について説明します。

ソリューション対応の場合

エクスポートする場合

Power Automateポータルの左ナビゲーションにある「ソリューション」からソリューション一覧画面を開き、エクスポートしたいソリューションを選択して、上部のナビゲーションにあるソリューションをエクスポートを押下して、ソリューションをzip形式でダウンロードできます。

図. ソリューション一覧画面

インポートする場合

Power Automateポータルの左ナビゲーションにある「ソリューション」からソリューション一覧画面を開き、上部のナビゲーションにあるソリューションをインポート※を押下して、zip形式のソリューションファイルをアップロードできます。

※一覧にあるソリューションを選択しないこと。選択すると表示されませんので、ご注意ください。

図. ソリューション一覧画面

ソリューションのエクスポート - Power Automate
ソリューション対応フローをエクスポートする方法の詳細情報。
ソリューションのインポート - Power Automate
ソリューションをインポートする方法について説明します。

【解決方法】パッケージとしてエクスポートする方法!(再掲)

ソリューション対応クラウドフロー詳細画面のURLにある”details”を”export”に変更することで、パッケージとしてエクスポートができます!

ソリューション対応クラウドフロー詳細画面のURLは、通常以下のような構成になっています。

https://make.powerautomate.com/environments/(環境ID)/solutions/~preferred/flows/(フローID)/details

URLの”details”を”export”に変更して、読み込みを行うと・・・

パッケージのエクスポート画面が表示されました!!

https://make.powerautomate.com/environments/(環境ID)/solutions/~preferred/flows/(フローID)/export

図. エクスポートパッケージ画面

エクスポート時に、以下の入力を行ない、エクスポートボタンを押すと、zip形式のパッケージファイルをダウンロードすることができます。

  • パッケージの名前(任意の名前を入力)
  • フローのインポートの設定(以下のいずれかの設定を選択)
    • 新しく作成する
      パッケージファイルをインポート時に、新しいフローとして作成する。
    • 更新
      インポート先の環境にアプリまたはフローが既に存在しているため、既存フローを更新する。
非ソリューション フローのエクスポートとインポート - Power Automate
ある環境からフローをエクスポートし、別の環境にインポートする方法について説明します。

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