
こんにちは、かずきです!
あるクライアントから、開発したソリューション対応クラウドフローをzip形式のパッケージで送付してほしいと言われました。
「いやいや、ソリューション対応してしまったクラウドフローは、Dataverseベースのソリューションに紐づいてしまい、Power Automateポータル上でパッケージとしてエクスポートができなくなるんですよ・・・」、と内心思いつつ、私は、そこで諦めずに調査を行い、エクスポートをする方法を見つけました!
そこで本記事では、ソリューション対応フローをパッケージでエクスポートする裏技を紹介します。
どうしてもクライアントからの要望により、ソリューション対応フローをzip形式のパッケージでエクスポートしなければならなくなった際に参考にしてください。
免責事項
本記事の内容は、2025/06/21時点の機能に基づきます。執筆以降に機能のアップデートにより、本記事との内容に乖離が発生する場合があります。その点、ご了承ください。
【目標】本記事を読んで達成できること
- ソリューション対応クラウドフローをパッケージとしてエクスポートができる
【対象者】こんな人に読んでほしい
- どうしてもソリューション対応クラウドフローをパッケージとしてエクスポートしたい人
【解決方法だけを知りたい方必見】パッケージとしてエクスポートする方法!
ソリューション対応クラウドフロー詳細画面のURLにある”details”を”export”に変更することで、パッケージとしてエクスポートができます!
ソリューション対応クラウドフロー詳細画面のURLは、通常以下のような構成になっています。
https://make.powerautomate.com/environments/(環境ID)/solutions/~preferred/flows/(フローID)/details

URLの”details”を”export”に変更して、読み込みを行うと・・・
パッケージのエクスポート画面が表示されました!!
https://make.powerautomate.com/environments/(環境ID)/solutions/~preferred/flows/(フローID)/export

図. エクスポートパッケージ画面
エクスポート時に、以下の入力を行ない、エクスポートボタンを押すと、zip形式のパッケージファイルをダウンロードすることができます。
- パッケージの名前(任意の名前を入力)
- フローのインポートの設定(以下のいずれかの設定を選択)
- 新しく作成する
パッケージファイルをインポート時に、新しいフローとして作成する。 - 更新
インポート先の環境にアプリまたはフローが既に存在しているため、既存フローを更新する。
- 新しく作成する

理解を深めたい方は、ぜひ続きをお読みください!
【参考】ソリューション対応クラウドフローを理解する
ソリューション対応クラウドフローとは
ソリューション対応クラウドフローとは、ソリューション内で作成された、またはソリューションに追加されたクラウドフローのことを言います。
アプリケーションライフサイクル管理(ALM)の観点から、通常クラウドフローを作成する際、Power Platformの環境を開発環境、検証環境、運用環境の3環境に分けて開発を行います。異なるテナントや環境を跨いで開発を行う場合、依存し合う複数のオブジェクト(クラウドフローや接続参照、キャンバスアプリなど)を一括で移行することになるため、1つのソリューションにまとめることになります。よって、ほとんどの開発では、ソリューション対応クラウドフローを扱うことになります。

ただし、ソリューションおよびソリューション対応クラウドフローを作成するためには、以下2つの条件を満たしている必要があります。
- 対象環境にDataverseデータベースが追加されていること
Dataverseは、環境作成時または作成後に追加することができます。

- 環境のバージョンが9.1.0.267 またはそれ以上であること
環境のバージョンは、Power Platform管理センターから、対象の環境の管理画面を開くと、確認できます。

図. Power Platform管理センターにある環境の管理画面
既定では、ソリューション対応にならない
本記事執筆時点では、Power Automateの機能上、クラウドフローを新規作成時に、既定でソリューションには追加されるようにはなっていません。なので、意図的に特定のソリューション内で作成、または既存フローを追加しない限りは、非ソリューション対応になります。
これは、Power Platform管理センターから、対象の環境の管理画面を開き、機能の設定を変更することで、自動でソリューション対応となるようにすることができます。具体的には、機能の設定にある項目「Dataverseソリューションで新しいキャンバスアプリとクラウドフローを作成する」のトグルを”オフ”から”オン”に変更します。トグルは、デフォルトでは、”オフ”になっています。

図. Power Platform管理センターにある環境の機能設定画面

もし既定でクラウドフローをソリューションに追加するように設定を行なうと、クラウドフローを新規作成した際に、事前に設定している優先するソリューションに自動的に追加されます。
優先するソリューションは、Power Automateポータルの右上にある歯車アイコン(⚙)から設定できます。

図. 優先するソリューションを設定ウィンドウ
ソリューションに追加されたかどうかは、作成したクラウドフローの詳細画面から確認できます。ソリューションに追加されている場合は、追加先のソリューション一覧が表示されています。

図. クラウドフロー詳細画面
非ソリューションとソリューション対応の主な違い
非ソリューション対応クラウドフローとソリューション対応の主な違いは、既に述べた通り、異なるテナントや環境に移行するために行なうエクスポートとインポートの仕方が異なります。
非ソリューション対応の場合
エクスポートする場合
Power Automateポータルの左ナビゲーションにある「マイフロー」からクラウドフロー一覧画面、またはクラウドフローの詳細画面を開き、エクスポート>パッケージ(.zip)でダウンロードできます。

図. クラウドフロー一覧画面

図. クラウドフロー詳細画面
インポートする場合
Power Automateポータルの左ナビゲーションにある「マイフロー」からクラウドフロー一覧画面を開き、インポート>パッケージのインポート(レガシ)でアップロードできます。

図. クラウドフロー一覧画面

ソリューション対応の場合
エクスポートする場合
Power Automateポータルの左ナビゲーションにある「ソリューション」からソリューション一覧画面を開き、エクスポートしたいソリューションを選択して、上部のナビゲーションにあるソリューションをエクスポートを押下して、ソリューションをzip形式でダウンロードできます。

図. ソリューション一覧画面
インポートする場合
Power Automateポータルの左ナビゲーションにある「ソリューション」からソリューション一覧画面を開き、上部のナビゲーションにあるソリューションをインポート※を押下して、zip形式のソリューションファイルをアップロードできます。
※一覧にあるソリューションを選択しないこと。選択すると表示されませんので、ご注意ください。

図. ソリューション一覧画面


【解決方法】パッケージとしてエクスポートする方法!(再掲)
ソリューション対応クラウドフロー詳細画面のURLにある”details”を”export”に変更することで、パッケージとしてエクスポートができます!
ソリューション対応クラウドフロー詳細画面のURLは、通常以下のような構成になっています。
https://make.powerautomate.com/environments/(環境ID)/solutions/~preferred/flows/(フローID)/details

URLの”details”を”export”に変更して、読み込みを行うと・・・
パッケージのエクスポート画面が表示されました!!
https://make.powerautomate.com/environments/(環境ID)/solutions/~preferred/flows/(フローID)/export

図. エクスポートパッケージ画面
エクスポート時に、以下の入力を行ない、エクスポートボタンを押すと、zip形式のパッケージファイルをダウンロードすることができます。
- パッケージの名前(任意の名前を入力)
- フローのインポートの設定(以下のいずれかの設定を選択)
- 新しく作成する
パッケージファイルをインポート時に、新しいフローとして作成する。 - 更新
インポート先の環境にアプリまたはフローが既に存在しているため、既存フローを更新する。
- 新しく作成する

コメント